塾長のつぶやき⑫コミュニケーションスキルと学習能力

「問題を解く」には出題者とのコミュニケーション


 テストや試験で、回答を導き出す時に暗に出題者とのコミュニケーションスキルが問われている事をご存じでしょうか?特に、難題の回答については、出題者が何を意図して、何を回答者に求めているかという事を解説者はまず考えるのです。また、出題者の指示にしたがった回答が必要になる場合は、その指示に従わなければ、いくら内容や答えが正しくても「0点」になります。

 

 例えば、簡単な例として国語(現代文)で「文章中より書き抜きなさい」という問題があります。文章中でひらがな表記している文をカタカナで書けばそれは「×」です。数学の論述形式の問題では特にそいう問題が多く見受けられます。しかし、逆に言えば、出題者の意図をきちんと把握できれば、特に国語などでは回答に有利な状況を作る事もできます。

 

 よく、「人の気持ちになって考えてみなさい!」と言われる子供を見受けますが、そいうお子さんはどうしても自分中心の考えが先行します。自分中心で物事を考え過ぎると、自ずと思い込みが強くなり誤回答を導き出す事が多くなります。特に理系の子に多い傾向があります。気をつけないといけないですね。

 

 人の考え方を理解し、自分の意見を述べ調整する能力こそがコミュニケーション能力であり、こうした能力は「勉強」の場でもとても重要となります。そして、社会人として必要とされるこの能力は、これからの大学入試では重要なコンテンツの1つとなり、入試で問われる事に必ずなるかと思われます。