割り算ができない子は掛け算ができない
算数において、一番最初に苦手意識を感じる最もポピュラーな難所が「割り算」です。割り算でつまづくと、その後ずっと苦手意識を引きずる事となります。
では、どこに問題があるのでしょうか?それは、「掛け算九九」の丸暗記にあります。小学校中学年生ぐらいで多く見受けられる子供に、「7×8=56」と言えても「7個の石が入ったコップが8個あると、全部で石は何個あるかな?」の質問に答えられません。つまり、掛け算の概念がわかっていないのです。文章にせずとも、ロッカーの数を数えさせてもかけ算を使えないのです。そりゃ、割り算なんか到底無理でしょう。形式的に足し算を教えても引き算ができませんし、そこをきちっと理解していないと、かけ算・割り算も難しいでしょう。
また、もう1点割り算の難所としてあるのが、割り算の性質です。
10÷2=5
①「10」を「2」つに分けると、1つあたり「5」
②「10」の中に「2」は「5」個ある
この2つの性質が混在しております。よって、これまで(掛け算まで)は計算式の性質が1パターンだったので、計算だけできればどうにかなっておりましたが、割り算となるとこの2つの性質を使い分ける必要があります。よって言い方は悪いですが「バカの一つ覚え」では対応できなくなります。また、さらには、この先の分数、比、割合あたりでは、もう一歩進んだ割り算の性質を使います。よって、6年生あたりで、算数の学力の差が大きくなるというわけです。
POINT:
算数でつまづいたら原点回帰をしましょう。四則演算ができないという子にドリル形式で「計算方法」を一生懸命教えても無駄です、対処療法に過ぎません。算数の原点は「考える力」なのです。絵や具体的な物を使って、視覚的に考えさせましょう。算数の苦手克服には事象をきちんと理解し、読み解く力・聞く力・イメージ力や論理的能力を身に付ける事が優先されます。(計算力ではありません)引き算ができない事は足し算、割り算ができない子はかけ算の概念を理解できていません。究極は、集中力を始め「勉強に必要な基礎能力」のトレーニングが必要とされます。
四則演算でつまづいたら、計算問題ではなく「文章&言葉の問題」でトレーニングしましょう。計算問題は数字のお遊びです。きちんと文章や言葉で問題を考えさせる事で、四則演算の基本的な概念を理解する事ができます。
応用問題ができない子には、本を読ませましょう。応用問題が出来ない子は、そもそも「算数」を理解していないか、「日本語」を読み解く力が欠けております。粘り強く「考える力」も不足していると考えられます。算数の苦手克服には「粘り強く考える脳のトレーニング」が必要となります。
お子さんの勉強方法は本当に正しいのか良く考えてみませんか?