塾長のつぶやき㉗四十四にして迷わず

~孔子に遅れること4年:一心舎ってどういう塾?~


 

 一心舎を創設し今年で10年。私も44歳となりました。

孔子曰く、15で学びに入り、30で立ち、40で迷わず、50で天命を知り、60にして天に従い、70にして全ての言動に間違えが起こらない。私が独立したのは33歳の頃、孔子曰く30歳より3年ほど遅れた事になりますね。それから10年の歳月が過ぎ、自分が始めたこの塾をようやく一言で言い表せるようになりました。

 

「自己啓発型」の学習塾=自己の本来ある能力を顕在化させる事で学習力を向上させる塾

 

本当は、GHQに捻じ曲げられた昨今の教育とは違った日本のナショナリズムを使った教育とか、日本人として世界をリードできるマインドの育成とか、自らの力で考え実行し新たな世界のリーダーを目指す教育とか、色々と言いたい事はあって、これまで幾度となく思案/試案してきました。

この試案を繰り返す事10年、ふと気が付いた分かりやすい言葉「自己啓発」。中学部の指導指針で考え着いた「やるべき事を判断し、自ら実行できるようになる」という事がヒントになったのかと思います。この指針の根底には「テストで点を取る為には”勉強をすればいいだけ”」という単純な考え方があります。

実は、私自身陸上競技のコーチでもあり、昨今高等学校などでも指導を行っております。日本トップレベルの選手と共に練習を行う事もあります。そうした中で、技術指導レベルの大切さを痛感します。しかし、この「技術」というもの、学習に取り換えれば「知識」となりますが、そもそもの問題があり、練習をしなければどんな技術も習得できません。学習で言えば勉強をしなければ知識は得られないという単純な事になります。ただ、その単純な事(それをただひたすら続ける)にこそ、高校生とトップレベルの選手とに差があると痛感しました。当然ですが、トップレベルの選手はどんな練習にも積極的に、貪欲に向き合っていきますし、自分なりに工夫をして技術を自分の物にしていきます。しかし、そこに達しない子供達は、言われた事しか(場合によってはそれすら)やりません。そうです、その力の育成こそが、一心舎で行うべき指導の骨子となるのではないかと考えつきました。とても単純な事です。

 

これまで、人間力の向上などの文言も使った事もありましたが、よくわからない言葉ですよね…。

「自己啓発」、自分の持っている力を啓発していく事、そしてそれを続けて行く事ができれば、より高見へと進む事ができるのです。頭があまり良くなくても(情報処理能力が低い、記憶力が低い)、強い意志を持って、勉強に取り組む事ができれば絶対にテストの点は取れます。

あるべき事の真偽の判断ができ、真を求め、そこに強い意志を持って取り組み続ける」それこそが、日本の古来からある教育習慣であり、一心舎がこれまで10年間やり続けていた「学びを愉しむ」事の延長にあるのだと思います。

 

孔子先生より4年遅れました。55歳で天命を知るのでしょうか…。