塾長のつぶやき⑥小6の関数を考える

知っていますか?今、小6でX・Yを使った関数が始まっている事を

これまで、私立中学入試のお決まりと言えばXやYなどの「未知数」を使わずに、いかに関数を解いていくかという問題がありました。そして、正確には境界はありませんが、数学と算数の大きな違いはこの「未知数」を使うかどうかという所が一つポイントになっていたのです。

しかし、昨今の指導要領の改定によりなんと小6に比例・反比例、変数…、つまり関数が登場しました。そればかりではなく、社会や理科においても以前は確実に中学からの指導内容であったレベルの内容が小6へ移行されております。しかし、これはこれまで私立入試を行ってきた一部の子供達が進学塾で習ってきた内容に他なりません。私立中学入試を経験された方なら分かると思いますが、鶴亀算・流水算・植木算…、方程式を使えたらどんだけ楽だったでしょう…。

しかし、良く考えてみましょう。本当に楽して解く事が大切なのでしょうか?図やグラフを使い一生懸命に手法を考えて問題を解く事は必要ないのでしょうか?そもそも、数学は基礎となる算数をマスターし、それをより論理的に解く能力が必要なのです。現行の学校教育現場では、小6から始まるこれまでは中学学習領域にあった高度な内容の指導が求められており、見る限り学習速度は加速せざるを得ない状況です。その結果、形式的なドリル方式の反復練習は宿題として、学校では論理力を必要される数学領域の学習内容を取り入れる事で、かえって初等教育で本来あるべき「考える力」の育成が手薄となってしまっております。家庭学習では本来、じっくりと考える事も必要なのです。結果、小6で論理力が育っていない子供達との間に大きな学力差が生じております。

 

この指導要領自体が「悪」とは思いませんが、これに対応すべく、より一層の論理的思考能力→基礎学習能力の育成のトレーニングが必要になってきていると感じる今日この頃です。